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婚活は女余り?男余り?答えは「両方本当」【47都道府県データで検証】

IBJ2023年成婚白書を基に作成した47都道府県別の男女成婚率比較マップ。金色は男性が有利、桜色は女性が有利。

「婚活は女余りって聞いたけど、本当かな?」「いや、日本は男余りのはず……」。調べれば調べるほど正反対の情報が出てきて、なんだか不安になりますよね。

先に結論をお伝えすると、実はどちらも部分的に本当です。人口の統計で見ると日本ははっきりと「男余り」なのですが、婚活の現場では、場所によって「女余り」が実際に起きています。この記事では、国勢調査とIBJ(日本結婚相談所連盟)の公表データというふたつの一次データをもとに、この不思議なねじれをやさしくほどいていきます。47都道府県すべてのデータも、地図と表で公開しますので、ご自分の県がどちらなのかもぜひ確かめてみてください。

目次

結論:人口は「男余り」、婚活の現場は「場所しだい」

  • 人口統計では:未婚男性は未婚女性より約355万人多く(2020年国勢調査)、日本は構造的な男余り社会です
  • 婚活の現場では:女性は進学や就職で都市部に集まるため、都会では女余り、地方では男余りが起きやすくなっています
  • 結婚相談所のデータでは:IBJで「男性のほうが成婚しやすい」のは31都道府県、「女性のほうが成婚しやすい」のは16県でした(2023年成婚白書より当サイト集計)

つまり「女余りは嘘か、本当か」という問いには、「どこで、どの市場を見るかで答えが変わります」というのが正直な答えです。順番に見ていきましょう。

日本は未婚男性が約355万人多い「男余り社会」

国勢調査とIBJ成婚白書の違いを比較した図解

まず人口の事実からです。2020年の国勢調査によると、未婚の男女には次のような差があります。

未婚者数未婚率(15歳以上人口比)
男性約1,664万人31.9%
女性約1,309万人23.3%
約355万人8.6ポイント

出典:令和2年(2020年)国勢調査より作成

未婚率で見ると、男性は3人に1人、女性は4人に1人ほど。未婚男性のほうが約355万人も多いのです。働き盛りの20〜50代に限っても約300万人の差があるという分析もあります(2015年国勢調査ベース、独身研究家・荒川和久氏)。

理由はシンプルで、出生時の男女比がおよそ105:100と、男の子のほうが毎年5%ほど多く生まれるためです。昔は乳幼児死亡率の高さで男女の数が自然と近づいていましたが、医療が発達した現代では、この差がそのまま大人まで積み上がります。男余りは誰かのせいではなく、人口の仕組みが生む現象なんですね。ちなみに中国では約3,350万人、インドでは約5,000万人と、世界の多くの国でも同じことが起きています(国連人口統計年鑑)。

ここまでを見ると「女余りなんて嘘では?」と思えてきます。ところが、話にはまだ続きがあります。

それでも「女余り」が起きるふたつの理由

理由1:女性は都市部へ移動している

IBJ成婚白書(2023年版)には、都道府県ごとの人口移動データが掲載されています。まず、転入が転出を上回った「人口が増えた側」の7都府県がこちらです。

順位都道府県転入超過数(人)男性女性主に増えたのは
1東京都68,28531,26537,020女性
2神奈川県28,60614,38714,219ほぼ同じ
3埼玉県24,83912,53912,300ほぼ同じ
4大阪府10,7922,9137,879女性
5千葉県4,785-3885,173女性のみ増加
6福岡県4,3872,4301,957男性
7滋賀県12-8395女性のみ増加

2023年の都道府県別転入超過数。出典:IBJ『2023年成婚白書』(ニッセイ基礎研究所レポートより改編)をもとに作成

1位は東京都で、増えた約6.8万人のうち女性が3.7万人と男性を大きく上回りました。7都府県のうち福岡県以外はすべて「女性が増加」または「男女ほぼ同じ」で、流入の増加数は女性のほうが25%多いと白書は分析しています。

では、人口が減った側はどうでしょうか。流出が大きかった40道府県の全データがこちらです(マイナスは転出超過を表します)。

ワースト都道府県転入超過数(人)男性女性
1広島県-11,409-5,745-5,664
2愛知県-7,408-4,471-2,937
3兵庫県-7,397-4,528-2,869
4福島県-6,579-3,173-3,406
5長崎県-6,439-2,399-4,040
6三重県-6,397-3,538-2,859
7静岡県-6,154-2,884-3,270
8新潟県-5,850-2,741-3,109
9青森県-5,656-2,470-3,186
10岡山県-5,621-2,920-2,701
11北海道-5,238-1,307-3,931
12愛媛県-4,779-2,183-2,596
13岩手県-4,623-1,864-2,759
14岐阜県-4,516-2,062-2,454
15山形県-3,853-1,629-2,224
16山口県-3,718-1,150-2,568
17福井県-3,408-1,636-1,772
18大分県-3,108-1,386-1,722
19秋田県-2,909-1,114-1,795
20香川県-2,784-1,487-1,297
21鹿児島県-2,752-646-2,106
22京都府-2,635-1,491-1,144
23徳島県-2,557-1,082-1,475
24石川県-2,461-1,001-1,460
25和歌山県-2,123-927-1,196
26長野県-1,928-659-1,269
27島根県-1,889-766-1,123
28茨城県-1,863-485-1,378
29富山県-1,862-747-1,115
30高知県-1,835-550-1,285
31鳥取県-1,756-679-1,077
32熊本県-1,624-538-1,086
33栃木県-1,500-427-1,073
34宮城県-1,452-649-803
35奈良県-1,319-875-444
36佐賀県-1,176-588-588
37宮崎県-1,111-388-723
38群馬県-941126-1,067
39山梨県-586-44-542
40沖縄県-49040-530

2023年の社会減40道府県。出典:同上。数値がより小さい(マイナスが大きい)ほうの性別が多く流出しています

男女の数字を見比べると、40道府県のうち31道府県で、女性の減少数が男性を上回っています。進学や就職をきっかけに、女性が地方から都市圏へ移っている様子がはっきり表れていますね。

その結果、全国の合計では男余りなのに、「若い独身女性」だけは都市部に集まっているという、ねじれた分布が生まれます。これが「都会の婚活は女余り」という体感の正体です。

理由2:婚活サービスごとに男女比が逆になる

もうひとつの理由は、使うサービスによる偏りです。結婚相談所は一般に女性会員の比率が高めで、特に都市部の相談所ではその傾向が強まります。いっぽうマッチングアプリは男性会員の比率が高いサービスが多く、「アプリは男余り、相談所は女余り」と正反対の環境が同時に存在しています。同じ「婚活」でも、どの場所に立つかで見える景色がまったく違うのです。

なお、離婚・死別まで含めた独身人口では、約760万人の「女余り」に反転します。ただしその85%以上は60歳以上の死別女性なので、現役世代の婚活への影響は限られています(2015年国勢調査ベース、荒川和久氏の分析)。

【マップ】都道府県別「男余り・女余り」の実態

それでは、実際の結婚相談所の中では何が起きているのでしょうか。IBJ成婚白書(2023年版)の都道府県別成婚率をもとに、「男性と女性、どちらが成婚しやすいか」を当サイトが47都道府県すべて地図にしました。金色が男性の成婚しやすい県、桜色が女性の成婚しやすい県です。

色の分布には、はっきりした地理的なパターンがあります。東京・大阪・福岡など人が集まる都市部は金色(男性が成婚しやすい)、女性の流出が大きい東北・北陸は桜色(女性が成婚しやすい)に染まりました。先ほどの人口移動のデータと、相談所の中の様子がきれいにつながっているのが分かります。

【全データ公開】47都道府県の成婚率と男女差

地図のもとになった全データを、「男性が成婚しやすい31都道府県」と「女性が成婚しやすい16県」に分けて公開します。「差」の数字が大きいほど、その性別にとって成婚しやすい県と読んでください。太字は本文でご紹介する注目の都道府県です。

男性のほうが成婚しやすい31都道府県

順位都道府県男性の成婚率女性の成婚率差(男性有利の度合い)
1鳥取県83.8%54.1%+29.7pt
2徳島県69.1%41.8%+27.3pt
3熊本県62.6%39.7%+22.9pt
4京都府50.0%29.4%+20.6pt
5長崎県55.9%38.6%+17.3pt
6広島県53.0%36.3%+16.7pt
7山口県54.1%38.1%+16.0pt
8鹿児島県62.7%47.1%+15.6pt
9福岡県43.0%28.0%+15.0pt
10大阪府37.8%22.9%+14.9pt
11奈良県46.5%32.3%+14.2pt
12宮城県51.7%38.3%+13.4pt
13宮崎県58.6%45.3%+13.3pt
14兵庫県40.0%26.9%+13.1pt
15香川県52.1%39.9%+12.2pt
16愛媛県53.2%41.1%+12.1pt
17沖縄県38.5%26.5%+12.0pt
18東京都29.8%18.2%+11.6pt
19北海道51.1%41.9%+9.2pt
20千葉県42.5%34.1%+8.4pt
21和歌山県51.1%43.2%+7.9pt
22神奈川県36.9%29.1%+7.8pt
23高知県50.0%42.9%+7.1pt
24大分県42.9%36.4%+6.5pt
25埼玉県41.4%35.7%+5.7pt
26滋賀県37.1%31.6%+5.5pt
27新潟県49.4%44.7%+4.7pt
28栃木県54.2%50.3%+3.9pt
29島根県63.4%60.5%+2.9pt
30岡山県40.9%39.2%+1.7pt
31愛知県33.3%32.6%+0.7pt

女性のほうが成婚しやすい16県

順位都道府県女性の成婚率男性の成婚率差(女性有利の度合い)
1福島県56.8%32.2%+24.6pt
2岩手県58.1%36.2%+21.9pt
3福井県79.5%58.0%+21.5pt
4山梨県40.2%24.5%+15.7pt
5山形県66.0%51.2%+14.8pt
6佐賀県52.4%41.1%+11.3pt
7富山県51.4%40.3%+11.1pt
8三重県47.2%36.4%+10.8pt
9石川県47.4%38.1%+9.3pt
10秋田県60.3%53.3%+7.0pt
11岐阜県44.0%38.3%+5.7pt
12静岡県50.0%44.6%+5.4pt
13長野県43.7%40.1%+3.6pt
14青森県70.5%67.3%+3.2pt
15茨城県43.7%40.8%+2.9pt
16群馬県49.5%49.3%+0.2pt

出典:IBJ結婚みらい研究所『2023年成婚白書』(2024年4月発行)より当サイト集計。
成婚率は各都道府県の成婚退会者の割合ベース

注目していただきたいポイントは3つです。

  • 鳥取県の男性は83.8%で全国トップ。女性(54.1%)との差も+29.7ポイントと、男性がいちばん成婚しやすい県です
  • 東京都の女性は18.2%で全国最下位。全国から女性が集まり続ける東京では、それだけお相手探しの環境も混み合っています。白書も、若い女性が集まる東京都などは競争率が高く成婚率が低くなりやすいと分析しています
  • 福島県の女性は56.8%(男性は32.2%)で、女性有利の度合いが全国いちばん。東京の女性と福島の女性では、成婚率に3倍以上の開きがあります

「人口の男余り」が強い地方ほど、婚活の場では女性がぐっと有利になる——人口統計と婚活データが、ここできれいにつながりました。

「女余りは嘘」「本当」で意見が分かれる理由

マッチングアプリと結婚相談所の男女比の違いを比較した図

ネットで意見がかみ合わない理由も、ここまでのデータで説明がつきます。

  • 「女余りは嘘」という方の根拠:国勢調査の未婚人口(全国では確かに約355万人の男余り)
  • 「女余りは本当」という方の根拠:都市部の結婚相談所や婚活パーティーでの実感(実際に都市部の相談所では女性が多め)

おふたつは違う場所を見て、同じ構造を語っているだけで、実はどちらも嘘をついていません。「日本全体は男余り。ただし若い独身女性は都市に集まるため、都会の婚活サービスの中では部分的な女余りが起きる」——これが一次データから言える全体像です。

データを味方につける、これからの婚活

東京都と福島県の女性成婚率を比較した図解

男性の場合:全国では約355万人分の「席の不足」がある以上、待っているだけでは出会いは訪れにくいのが正直なところです。ただ、都市部の結婚相談所は男性にとって思っている以上に追い風で、東京都でも男性の成婚率は女性の1.6倍あります。アプリでなかなかうまくいかず疲れてしまった方こそ、活動する場所を変えてみる価値があります。

女性の場合:東京などの都市部で活動する場合は、素敵な女性が集まる場所だからこそ、待つより一歩踏み出す姿勢が結果につながります。IBJのデータでも、関西では女性からのお申し込みが全国平均の1.2倍と積極的で、それが成果に結びついています。地方にお住まいの方や、地方への移住も考えられる方は、実はとても恵まれたポジションにいます。

どの県でどちらが成婚しやすいかは上の表のとおり地域差が大きいので、まずはご自分の県のデータを眺めてから、相談所・アプリ・パーティーのどこに力を入れるか考えてみてください。結婚相談所の選び方は「IBJとTMSの違い」の記事でくわしくご紹介しています。

よくある質問

「婚活は女余り」は嘘ですか?本当ですか?

日本全体の未婚人口では男性が約355万人多い「男余り」です(2020年国勢調査)。ただし若い女性が都市部に集まるため、都会の結婚相談所など一部の婚活の場では部分的に「女余り」が起きます。場所と市場によって答えが変わります。

福岡や関西は女余りと聞きますが本当ですか?

福岡県は女性の転入超過が起きている数少ない県のひとつで、女性が集まりやすい土地です。ただしIBJのデータでは福岡県も大阪府も「男性のほうが成婚しやすい」側で、相談所の中では女性が多めの環境です。関西では女性からのお申し込みが全国平均の1.2倍と、積極的な傾向もあります。

男余りがいちばん強い地域はどこですか?

女性の流出が大きい地方、特に東北エリアです。IBJのデータでは福島県・山形県・岩手県などで女性の成婚率が男性を15ポイント以上上回っており、婚活の場での女性の有利さ(=男余り)が数字に表れています。

マッチングアプリは男余りって本当ですか?

多くのマッチングアプリは男性会員の比率が高く、男性側の競争が起きやすい環境です。いっぽう結婚相談所は女性会員の比率が高めで、環境が逆になります。アプリで疲れてしまった都市部の男性ほど、相談所に切り替えるメリットが大きい構造です。

まとめ:大切なのは「自分に合う場所」を知ること

男余りと女余りが同時に起こる理由をまとめた図解

男余りか女余りかは、データで見れば「両方本当」で決着します。

  • 日本の未婚人口は約355万人の男余り(2020年国勢調査)
  • ただし女性の都市集中で、都会の婚活の場では部分的な女余りが起きる
  • IBJでは31都道府県で男性が、16県で女性が成婚しやすい
  • 東京の女性(18.2%)と福島の女性(56.8%)では成婚率に3倍以上の差

大切なのは、どちらの意見が正しいかを決めることではなく、ご自分のいる場所・使うサービスがどちらの環境なのかを知って、無理なく活動できる場所を選ぶこと。データは、そのための心強い味方になってくれます。

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